大阪府箕面市で、学校給食用に地元の農家が栽培した野菜の直売会が人気を集めている。地産地消をめざして学校で使う野菜を増やしてきたが、新型コロナウイルスの影響で休校が続き、宙に浮いていた。味は良く、値段も手頃で、市民の反応は上々だ。
4月27日、箕面市役所隣のファミリーマート箕面市役所前店の駐車場で直売会が始まった。住民が次々と自転車で集まってきた。
この日の目玉は5月にかけて収穫される早生(わせ)のタマネギで、1キロ前後で100円。女性(75)は「いま野菜は値上がりしている。タマネギは甘くておいしく、しかも安い」と喜んだ。
長谷川貴治さん(45)らが持参したコマツナとチンゲンサイは1時間で完売した。手がけている葉物はすべて給食用だ。「どんどん種をまいているが、いつ学校が再開されるか分からないのがつらい」。直売を考え、最近はナスやトマトなどの夏野菜を植え始めた。「新しい野菜を始めるきっかけになったのはよかった」と長谷川さん。
直売会で売られているのは、本来、学校給食で使われるはずだった野菜だ。
箕面市は2013年から、市農業公社を通じて提供を始めた。遊休農地の活用と雇用の創出、地元産の野菜を子どもたちに知ってもらうのがねらいだ。
公社の職員が自前で育てるほか、零細経営が多い農家からの買い取りも進め、19年度は給食で使った258トンの野菜のうち、57トンを地元産でまかなった。公社職員の安保友貴さん(29)は「子どもに食べてもらっていることがうれしかった」とやりがいを語る。
だがコロナの影響で2月末から学校が休みになり、関係者は途方に暮れた。公社の畑ではキャベツやハクサイ、ダイコンが収穫期を迎えていたからだ。
佐治功(さじいさお)・市農業振興課長は「市場に卸すことも考えたが単価が安く、それなら市民に食べてもらおうと思った」。2月28日に市役所で直売会を初めて開いた。
農家の人たちが子どもたちを思い、低農薬で丹精込めて育てた野菜は好評で、週2回の直売会はいつも「完売御礼」。3月20日からはファミリーマートの協力を得て、場所を移して開催を続けている。
市農業公社は今年度、育てる野菜を三つ増やして7品目にし、収量も最大約100トンまで増やす計画だった。休校は今月末まで延長されることが確定しており、佐治さんは「はがゆさはあるが、直売会を通じ、子どもたちがどんな野菜を食べているのか知ってもらえたら」と話す。
今月の直売会はタマネギが中心で、原則として月・木曜の午前10時~午後3時に開かれる。問い合わせは市農業振興課(072・724・6728)。(柳谷政人)
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May 12, 2020 at 08:00AM
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大阪)給食用の箕面産野菜、直売で召し上がれ [新型コロナウイルス] - 朝日新聞
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