コロナ影響も、各社新ニーズに対応
健康産業新聞が全国の健康食品受託製造企業を対象に実施した調査で、今年上期の人気受注素材は「乳酸菌」がダントツだった。下期の受注予想は3位に新素材「NMN」が浮上した。市場は新型コロナウイルスの影響を受けつつ、受託各社は健康志向の高まりによる新たな需要に対応。“コロナ太り”対策品の受注が増えたといった声も聞かれた。上半期の経営状況が「悪かった」との回答はこの5年で最も多くなったものの、外出自粛により営業活動に支障が生じたことも影響している。 ■コロナ「影響なし」は25％ 調査は全国の健康食品受託企業188社を対象に5～6月、アンケート形式で実施、86社から有効回答を得た。回答企業の売上規模は、10億円未満が49％。100億円以上は12％となっている。 今年上半期の経営状況が「良かった」と回答したのは31％で、前年同時期調査から12ポイント減少。「コロナの影響でプロポリスの需要が高まった」「コロナ太り対策製品の受注増」「インバウンド及び輸出案件が激減したが、国内市場が増えたため、売上を保持できた」「巣ごもりで加工食品の注文が増加した」などの声が聞かれた。 「悪かった」は22％。前年同時期調査から13ポイント増え、コロナの影響の大きさを裏付けた。その理由として、コロナによる中国向け製品の落ち込み、インバウンド受注のストップなど、コロナの影響を挙げる企業が大半を占めた。 新型コロナによる「影響なし」という企業は25％。「マイナスな影響が出た」は55％で、新規商談が中断したとの声が複数聞かれた。出張の自粛により営業活動に支障が出た企業も多かった。 ■5割の企業が設備投資 上半期の人気受注素材トップは乳酸菌で32票を獲得。前回調査の倍となり、乳酸菌ブームが継続していることを裏付けた。下期の受注素材予想でも「乳酸菌」は1位。3位に新素材として期待されている「NMN」が入った。 景気の指標となる設備投資を今年上期に行った企業は51％で、前年同時期調査から13ポイント減少。新工場を建設したのは3社だった。今年下期に設備投資を行う計画があるのは52％に上った。 インバウンドの状況を聞いたところ、61％が「減っている」と回答。前年同時期調査から48ポイントも増加した。インバウンド需要が「ゼロになった」という回答もあった。 下期の経営見通しを聞いたところ、「非常に良くなる」「良くなる」との回答は計14％。「どちらともいえない」は58％、「悪くなる」は28％で、ほとんどの企業がコロナの影響がどこまで続くのかが読めないことを理由に挙げた。景気全体の低迷を懸念する声も目立った。 コロナの影響で今後懸念することを聞いたところ、第2波・第3波の状況や消費マインドの落ち込みを気にする企業が多数。また、「長年培ってきた販売ノウハウが通用しない。販売方法の見直しが必要」「モノの価値観や市場の動きが変わった。販売ルートの見直しは必至」など、コロナで一変した市場に対応していく必要性を指摘する声も聞かれた。
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June 29, 2020 at 03:55PM
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20年上期 健康食品の受託製造企業調査 受注素材1位「乳酸菌」（健康産業新聞） - Yahoo!ニュース
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